壁防水シートの種類と施工時の重要なポイントを解説!
2024.07.06
新築やリフォームを検討しているあなたは、家の耐久性やメンテナンスについて考えたことはありますか。
特に、家の外壁は雨風や紫外線に直接さらされるため、適切な防水対策が重要です。
今回は、外壁に使用される防水シートの種類や特徴、施工時の注意点について詳しく解説します。
適切な防水シートを選んで、快適で安全な住まいを実現しましょう。
□外壁に使用される防水シートの種類と特徴
外壁に使用される防水シートは、大きく分けて「透湿防水シート」と「アスファルトフェルト」の2種類があります。
それぞれの特徴と適した外壁の種類について詳しく見ていきましょう。
1: 透湿防水シート
透湿防水シートは、ポリエチレン不織布でできたシートで、雨水の侵入を防ぎながら室内の湿気は屋外に逃がせるという特徴があります。
そのため、現在ではサイディング仕上げの外壁に多く用いられています。
2: 透湿防水シートのメリットとデメリット
透湿防水シートは、通気層を設けることで、外壁内部の湿気を効率的に排出できます。
これにより、結露の発生を抑え、木材腐朽やカビの発生を防ぐ効果が期待できます。
また、透湿防水シートはアスファルトフェルトに比べて軽量で、施工がしやすいというメリットもあります。
3: アスファルトフェルト
アスファルトフェルトは、古紙に繊維のくずを混ぜた原紙(フェルト)にアスファルトを染み込ませた防水紙です。
雨水の侵入を防ぐだけでなく、湿気も逃がさないという特徴があります。
そのため、水分や湿気に弱いモルタル仕上げの外壁に用いられます。
4: アスファルトフェルトのメリットとデメリット
アスファルトフェルトは、透湿防水シートに比べて安価で、施工が簡単です。
しかし、通気層を設けられないため、外壁内部の湿気を逃がせず、結露が発生しやすいというデメリットがあります。
また、アスファルトフェルトは経年劣化によって、ひび割れや剥がれが発生することがあります。
□壁防水シートの施工時に注意すべきポイント
防水シートの施工は、雨水の侵入を防ぐ上で非常に重要な工程です。
特に、住宅の形状や納まりによっては、さらに注意して施工した方が良いポイントがあります。
ここでは、防水シートの施工時に注意すべきポイントを解説していきます。
1: 出入隅の重ね
出入隅は、住宅の防水性を確保するために、特に注意が必要な箇所です。
防水シートは、出隅では必ず重ねて施工し、折り返しをしっかりと確保することが重要です。
また、入隅は、防水シートの下に施工されたボード類も継ぎ目になっていることが多いので、二重にするなどの配慮が必要です。
2: 軒天との取り合い
軒天は、外壁と屋根の境目に設けられる部分で、通気口が設けられていることが一般的です。
台風などの強風時には、通気口から軒天の内部にまで雨水が入り込んでしまう可能性があります。
そのため、防水シートは軒天よりも上部に張り上げておくことで、入り込んだ雨水が構造体を劣化させるのを防げます。
3: 配管・配線まわりの処理
外壁には、さまざまな配管や配線が接続されています。
これらの配管や配線を室内に通す際には、防水シートを貫通させる必要があり、その際に防水テープなどを併用してしっかりと処理することが重要です。
4: 下屋との取り合い
下屋は、1階部分の屋根にあたる部分で、外壁との取り合い部分は雨漏りの原因になりやすい箇所です。
下屋を施工する際には、外壁との間に防水シートを捨て貼りするなど、適切な処理を行う必要があります。
□まとめ
防水シートの施工は、出入隅や軒天、配管周り、下屋との取り合いなど、注意すべきポイントが数多く存在します。
適切な施工を行うことで、雨水の侵入を防ぎ、住宅の耐久性を高められます。
防水シートの種類や施工方法について、事前にしっかりと理解した上で、適切な選択を行いましょう。